読書記録「グレート・ギャツビー」
読み始めたら日の夕方から翌日の午前中まで、約一日で読めました。
10代で読んだときは、訳のせいだけじゃなく、
人生経験も足りず、読書量も足りずで、
あんまり意味がわからなくて、
なんでこれが素晴らしい作品と言われているかがわかりませんでした。
そして、今。
40代になり、経験も積み、読書量も増え、
村上訳が読みやすかったのもあり、作品の意味は理解できました。
でも、やっぱり素晴らしい作品!・・・とはあんまり思わなかったかな。
内田樹先生曰く、この作品は、
少年が「大人に脱皮することの苦しみ」を癒し、支援するために、
人類が太古から繰り返し語ってきた「少年期(アドレッセンス)の喪失の物語」で、
グレートギャツビー、ロンググッドバイ、羊をめぐる冒険、
と脈々と受け継がれている文学的鉱脈、だそうです。
共感できないのは女性だから、としてしまうのは、
あまりにも短絡的に感じるから、考察にはもう少し時間をかけようと思います。
ただ、内容にはあんまり共感していないにも関わらず、
一日ですらっと読める文章に訳されているのが驚きでした。
読んでるときに、「つっかえない」。
外国語訳の、訳に正確なあまり日本語としては読みにくく、
読んでる途中で、ガタッガタッとする感じがない。
「みみずくは黄昏に飛びたつ」に、そのあたりの詳しいところが書いてありました。
村上春樹が文章を書く際に大事にしているのは「リズム」だそうで、
それは翻訳にも当てはまるみたいです。
というわけで、「翻訳する」ということにがぜん興味がわいてきたのでした。