<鑑賞記録>ソール・ライター展
先日、たまたま時間がひょっこりあいて、これをみてきました。
いきなりぽかん、と時間が空くなんてこと、ほんとにあるんだなと思っていたら、たまたま同じ日に友人もきていて、観終わって二人であーだこーだ話しました。元々こういう予定だったんじゃないの?というぐらいお互いの予定がぴたっと合って、なんだか不思議だった。
「写真を見る人への写真家からの贈り物は、日常で見逃されている美を時々提示すること」
街角、カフェ、窓からみた景色。どこかで自分も見てきれいだなって感じたことのある風景のようだった。デジャヴ。窓越しや、屋根の下からや、ベランダから見た景色。自分で撮ろうとすると、いつも、シャッターチャンスを逃したり、フレームに入りきらなかったりして、とても雑なものになる。
ほら、こういう風景をみたんだよね、ってさしだされたみたいな気持ちになった。
「身の周りのものは、美しい」
「なにも地球の裏側まで行く必要はない」
人物の写真から伝わってくるもの。
ぼーっとしたり、じっとみたり、がっかりしたり、愕然としたり、物思いにふけったり、好奇の目を向けたり。そういう、物語のほんの一瞬。こういう瞬間があちこちにある。通りを出ればすぐに。
「肝心なのは何を手に入れるかじゃなくて、何を捨てるかなんだ」
長い間、ひとところに住み、毎日のルーティンの中で写真を撮る。商業用の写真はたくさんないのに、どうやって生計を立てていたんだろう?と勘ぐってみたり。
「無視されることは偉大な特権である」
「幸せの秘訣は何も起こらないことだ」
撮影している存在を感じさせずに、日々写真を撮り続けたソールライター。
未だに現像されていないフィルムが大量にあり、ソール・ライター財団で粛々とアーカイブ作業が成されているんだそう。またいつか、未発表作品をみれるときがくるのかな。