<鑑賞記録>「フーガ」の苦しみと喜び/大塚直哉レクチャーコンサート
解説を聞きながら、オルガンとチェンバロの聴き比べをするコンサートに行ってきました。
右脳と左脳をいったりきたり。シャッフルされる感覚。
それと同時に五感を使う。思考と感覚が同時進行する。
うまくバランスがとれて、理解が深まるのと同時に感動が訪れる。
その瞬間は最高だ。
「フーガ」は「逃げる」という意味があって、転じて音を追いかける、畳み掛ける、前のテーマが終わってないのに次のテーマの音をかぶせていく、ような形式を指すようになったとか。#バッハ
— eriie (@eriielog) July 7, 2019
大塚さんは、言語化にたけている演奏家だった。音楽をこんなにたくさんの言葉で説明してもらったのは初めてかもしれない。
言葉のない表現を敢えて解説して言葉で切り取ることで、近づきやすくなる。「知ってるとより楽しめます」とおっしゃっていた。本当にそうだなと思う。
大人は1を見て10つながるし、10思い出すから楽しい。積み重ねの楽しさがある。絵も音楽も踊りも芝居も、芸術鑑賞は大人になればなるほど深まる。
解説を聞きながらふと、今もう一度ピアノを習ったら楽しいのかもしれない、と思った。小さい頃は楽譜を追うのに精一杯で、曲全体の一体感なんて感じてなかった。指の動きは遅いけど、今の方がきっと楽しめる。
手前がポジティフオルガン。パイプオルガンの一種。
奥がチェンバロ。思ったより鍵盤の幅が狭い。
彩の国さいたま芸術劇場は、建物としても素敵だった。
古代ローマのよう。