eriie's room

「水曜日の読書会」と「聴きカフェ」を主催しています。

<鑑賞記録>Before Sunrise,Before Sunset,Before Midnight

※詳細のあらすじも書いてます

 

SNSの友人たちの間で話題になっていて、Before Midnight がつくられたことを知りました。過去2作も観たことあったはずなのにストーリーをすっかり忘れてたので、この機会に一気にみることに。

このシリーズの素敵なところは、同じ監督、主演の二人が続編を作っていること。
だから、役の二人もリアルに年をとっているのです。

 

一本みるごとに感想を書きとめて、次の作品をみる、という方法で鑑賞しました。
それぞれの感想を残しておきます。

 

 

 

1995年 Before Sunrise/恋人までの距離

 

一緒に今ここにいる、そのことが既に素晴らしい奇跡のようなできごと。出会った瞬間から好きで、一緒に過ごす時間はその気持ちが本当かな?と確認するような時間。
ああこの人が好きだな、と確信できると、今度は二人の先行きが気になってしまい不安になって、目の前にいるその人を失うことが怖くなる。

でも今はまだ出会ったばかりで人生が全く交差していない。先のことはわからない。だからといって刹那的にはなりたくない、この瞬間を味わいきりたい。夢のような夜だったから、夢から覚めるのが怖い。でも夢から覚めてもやっぱり会いたい。

っていう、二人の気持ちがものすごくよく伝わってくる、とってもいい映画でした。二人の会話だけでストーリーが進むところも好き。before_sunset が楽しみ。一度観てるはずなんだけど、すっかり忘れてるし、きっと感想も全然違う。

 

 

 2004年 Before Sunset

 

 9年後、30代になって再会。お互いにそれぞれの生活がある。理想の自分になりたくて結婚してみたり、誰かと一緒にいすぎることが怖くなってほとんど会えない人とつきあったり。でも仕事や、人生でなすべきこと、やりたかったことを一所懸命やって今がある。

果たされなかった約束。美しかった夜が、悲しい思い出に変わる。それでもあの夜を忘れたくなくて、日記や本を書く。と同時に、セリーヌは環境問題のNPOで活躍の場をみつけ自分の信念を行動に移し、ジェシーは作家の地位を築く。社会人としての自分の土台を作ったあと、最初の夜から9年後の再会。

美しいパリの街並み。セーヌ川セリーヌの居心地のいい家。気さくなご近所さん。BGMは、街のざわめき、人々の声。
飛行機の時間がきちゃうわよ、とせかすセリーヌ。帰りたくないジェシーセリーヌのそっけない態度は、彼が既婚者だからだ。

結末は描かれないまま映画は終わる。ジェシーの書いた本のように、読んだ人の想像のままに、ということなのだろう。この再会をこのままで終わらせてほしくないなあと思う。関係を続けていってほしい。結婚しなくていいから希望をもってつながっていてほしい。

生まれたら死ぬけど、つきあったら別れるけど、それでも。

 

2013年 Before Midnight

前作から更に9年後。事実婚し、双子の娘をもつ二人。離婚した奥さんの元に置いてきた息子が恋しくて仕方がないジェシー。恋しい人はいつも遠くにいる。

知的でパワフルなセリーヌは、ジェシーや子どものライフスタイルに合わせて、パワーが発揮できないことにうんざりしているようにみえる。彼女はいつでもエネルギーの使い道を探しているのだ。

映画の8割、セリーヌは文句を言ってる。文句言ってる顔は、全然かわいくないしきれいでもない。それでも、ジェシーは彼女を愛してる。怒りに振り回されてしまう最低な彼女もいるけど、知的で美しくてユーモアのある最高な彼女もいることを知っている。そして、自分自身が不完全な自分であることはとうにわかってる。

”愛はいつでもここにある。君が取りにくれば。僕は犬のようにはいつも戻らない。でも君が望むなら、愛はここにある。 ”

愛はインフラなのだと思う。人がすこやかに生きていくための。
愛し愛されて、自分が満たされたら、それを世界にむかって表現したくなる。もしくは、社会に愛情を還元したくなるのかもしれない。

人によって、表現方法は異なる。ジェシーは書くことだし、セリーヌは仕事をすることなのだろう。
 

 

この先9年後に、また新作が発表されたら素敵だなあと思う。
50代になった二人をみてみたいです。